更新日:2025年6月10日 | Chihiro
家具を選ぶとき、見た目だけで決めてしまうと後悔することがあります。引っ越しや模様替えのたびに重くて動かせなかったり、気に入っていたのにすぐに傷んでしまったり。
そんな経験から感じたのは、木材の種類や特徴を知ることの大切さです。ヒノキのように軽くて香りが良い木もあれば、ナラのように重くて丈夫な木もあります。
加工方法によっても使いやすさは大きく変わります。木材の性質を知ることで、今の暮らしに合った、おしゃれで長く使える家具を見つけやすくなります。

見た目が美しい突板や、安定した品質の集成材、扱いやすい合板など、それぞれに良い点と気をつけたい点があります。無垢材は特に魅力がありますが、手入れが必要な素材でもあります。
転勤や引っ越しが多い暮らしの中では、家具が重荷になることもありました。だからこそ、使い方や暮らし方に合う素材を知っておくことで、無駄を減らし、おしゃれで気持ちの整う空間につながります。
木の種類は大きく分けて2つ。針葉樹と広葉樹のちがいと特徴
家具に使われる木には、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」があります。それぞれの木にはやわらかさやかたさ、見た目のちがいがあり、使う場所や家具の形に向き・不向きがあります。
木の特徴を知っておくと、おしゃれで長く使える家具選びに役立ちます。
針葉樹とは?軽くてやわらかく、あたたかみがある木
針葉樹は、軽くてやわらかく、ふだん使いの家具やテーブルにぴったりな素材です。香りも楽しめて、引っ越しや模様替えのときもラクに動かせるのが魅力です。
使う場所や目的に合った家具選びに役立ちます。
- やわらかく肌ざわりがよいので、ふれることが多い家具に使われます。
- 軽くて動かしやすいので、引っ越しが多い方にも向いています。
- 加工しやすいため、おしゃれな形の家具にも使われています。
- 香りが残りやすく、木のぬくもりを感じやすい素材です。
- 傷がつきやすいため、大きな家具にはあまり向いていません。
ポイント:やわらかくて軽い針葉樹は、使いやすくて心地よい家具に使われています。
広葉樹とは?重くてかたく、しっかりしたつくりに向いている木
広葉樹は、しっかりと重みがあり、毎日の暮らしを支える家具に使われることが多い素材です。長く使いたいキャビネットや机に向いており、揺れや傷にも強いため、安心感があります。
見た目にも重厚で落ち着きのある空間をつくります。
- 揺れにくく安定感があるので、ソファーや椅子のフレームに使われます。
- 重くてしっかりしているため、長く使いたい家具に適しています。
- 傷がつきにくく、机や棚にぴったりな木材です。
- 世界的にも知られる高級木材が多いのが特長です。
- 木目がつまっていて、見た目も上質で落ち着いた雰囲気を出せます。
ポイント:広葉樹は、重くて強く、美しさと安心感をそなえた家具に向いています。
世界三大銘木とは?世界で評価されている美しい木
「世界三大銘木」とは、世界中で特に質が高いとされている広葉樹のことです。 木目の美しさや色つや、強さにすぐれ、家具としても見た目と使いやすさの両方が評価されています。
お部屋の印象を上品にまとめたい方に向いています。
- ウォールナットは、深い色と上品な木目が特徴です。
- チークは、水や湿気に強く、長く使う家具に向いています。
- マホガニーは、赤みとつやがあり、高級感のある空間に合います。
ポイント:見た目と強さをそなえた世界三大銘木は、長く大切にしたい家具にぴったりです。
家具に使われる人気の木材と特徴(針葉樹編)
針葉樹はやさしい風合いと軽さが特長で、リラックスできる空間づくりに向いています。ヒノキやスギは香りもよく、日本の暮らしに合った木材です。
やわらかくて加工しやすいので、引っ越しが多い暮らしにも合う家具に使われています。
ヒノキ(檜)|香りがよく、長く使える木
ヒノキ(檜)は、日本の伝統にも使われてきた香りのよい木材です。なめらかな手ざわりで、時が経つほど強くなり、長く使いたい家具に向いています。
見た目のやさしさと、気持ちが落ち着く香りが日々の暮らしに心地よさを届けてくれます。
- 香りにリラックス効果があり、くつろげる空間をつくります。
- 耐久性にすぐれ、年月が経っても使い続けられます。
- 滑らかな手ざわりで、やさしいふれごこちが魅力です。
- 菌に強い性質があり、清潔さを保ちやすい素材です。
ポイント:ヒノキは、香りと強さをあわせ持つ、長く大切に使いたい木材です。
パイン(松)|明るい色で、やさしい風合いの木
パイン(松)は、やわらかく加工がしやすい木材で、あたたかみのある雰囲気とナチュラルな風合いが魅力です。
節のある木目や、時間とともに変化する色あいが特徴で、気取らず使える暮らしになじむ家具素材です。
- 森の中にいるようなやさしい香りが楽しめます。
- 節のある木目がナチュラルな雰囲気を演出します。
- 加工しやすく、曲げや切断にも向いています。
- 経年変化であめ色に変わる艶も味わえます。
ポイント:パインは、やさしい香りとナチュラルな木目で暮らしに温かさを添える木材です。
スギ(杉)|軽くてあたたかい、日本でも身近な木
スギ(杉)は、とても軽くて扱いやすい木材で、移動が多い暮らしや使う場所を変えたい家具にぴったりです。
色の変化も美しく、ほんのり甘い香りが暮らしの中にやわらかさを届けてくれます。
- 軽くて持ち運びやすいので、折りたたみ家具にも適しています。
- 赤や白のはっきりした色合いが見た目のアクセントになります。
- 湿気がこもりにくく、ゆがみにくい性質があります。
- 食事の場にも合う甘い香りがほんのりと広がります。
ポイント:スギは軽くて動かしやすく、見た目も香りもやさしい木材です。
家具に使われる人気の木材と特徴(広葉樹編)
広葉樹はしっかりとした重みがあり、長く使える丈夫な家具によく使われます。ナラやケヤキなどは、見た目にも美しく、使うほどに味わいが深まる木材です。シンプルでも存在感があり、長く愛せる家具を選びたい方に合っています。
ナラ(オーク)|強くて長持ち。重厚感のある木
ナラ(オーク)は、重みがあり、長く使える家具にぴったりな広葉樹の木材です。水にも強く、傷がつきにくいため、ダイニングテーブルや収納など日常使いの家具に向いています。
虎のような模様も個性のひとつです。
- 傷や反りに強く、毎日使う家具にも安心して使えます。
- 水にぬれても安心な高い耐水性があります。
- しっかりした重さと硬さがあり、安心感があります。
- 虎斑と呼ばれる特徴的な木目模様が出ることがあります。
ポイント:ナラは重みと丈夫さをそなえた、長く付き合える家具素材です。
ブナ(ビーチ)|きめが細かくて、やさしい色あいの木
ブナ(ビーチ)は、白っぽくてやさしい色合いが特徴の木材です。しっかり硬いのにしなやかで、曲げ加工にも強く、背もたれや椅子の脚などにも使われます。
明るく清潔感のある空間づくりに向いています。
- 北欧風のやわらかい色味で、やさしい雰囲気を演出します。
- 硬さがありながら、しなやかで曲げに強い性質を持ちます。
- 手ざわりがなめらかで、やさしい質感が楽しめます。
- こども用の家具やおもちゃにも使われる安心感のある素材です。
ポイント:ブナは、やさしい色としなやかさで、軽やかに使える家具に適しています。
ケヤキ|しっかりしたつくりと力強い見た目が魅力
ケヤキは、赤みのある色合いとくっきりとした木目が印象的な木材です。 重くてとても丈夫なので、存在感のある家具や、長く使う大きなテーブルに適しています。
日本の伝統を感じさせる、格調高い素材です。
- 柱にも使われるほどの強さと大きさを持っています。
- 木目がはっきりしていて、見た目の美しさが際立ちます。
- 重厚で風格のある雰囲気を演出できます。
- 和家具や漆器など、日本らしい家具に多く使われています。
ポイント:ケヤキは、見た目も丈夫さもすぐれた、伝統と風格のある木材です。
タモ|すっきりとした木目で、人気のナチュラル素材
タモは、淡くて自然な色合いとまっすぐな木目が特徴の木材です。 表面はなめらかで手ざわりがよく、しっかりとした強さもあるため、テーブルや棚にぴったりです。
どんな部屋にもなじみやすく、飽きずに使えます。
- 均一な木目が美しく、見た目がすっきりしています。
- ナチュラルな色味が空間にやさしくなじみます。
- 表面がなめらかで、触れたときの感触も心地よいです。
- 硬くて頑丈なので、日常使いの家具にも安心して使えます。
ポイント:タモは、やさしい見た目と強さをそなえた、暮らしに合う木材です。
ラバーウッド|環境にやさしく、価格もおさえられる木
ラバーウッドは、やわらかく加工しやすい木材で、なめらかな手ざわりと淡い色合いが特徴です。軽めで扱いやすく、毎日使うテーブルや収納家具などに向いています。
お部屋にやさしい雰囲気をそっと加えてくれます。
- 温かみのある木目で、落ち着いた空間を演出します。
- 軽くて扱いやすいため、移動の多い家具にも適しています。
- 表面がすべすべしていて、触ったときに心地よさがあります。
- 加工しやすく、色をつけやすい素材としても使われます。
ポイント:ラバーウッドは、やさしい風合いと使いやすさをそなえた木材です。
家具に使われる人気の木材と特徴(世界三大銘木編)
ウォールナット・チーク・マホガニーは、「世界三大銘木」として知られています。これらの木は色・つや・質感にすぐれ、高級感のある仕上がりになります。
使うほどに風合いが変化する楽しさもあり、長く大切に使いたくなる家具に使われています。
ウォールナット|深い色と高級感で人気の木
ウォールナットは、深みのあるチョコレート色とまっすぐな木目が美しい木材です。 高級感があり、ヴィンテージや落ち着いた空間づくりにぴったりです。
反りにくく、長く使う家具にも安心して選べる素材です。
- 加工しやすく、細かな仕上げもきれいに作れます。
- 見た目に重厚感があり、空間に高級な印象を与えます。
- 耐衝撃性にすぐれ、しっかりとした作りに向いています。
- 狂いが少なく、反りにくいので長く使いやすい木材です。
ポイント:ウォールナットは、高級感と使いやすさをそなえた落ち着いた木材です。
チーク|水に強く、変化を楽しめる木
チークは、黄みがかったあたたかい色と、すじのある美しい木目が特徴の木材です。 湿気や水に強く、長年使い続けたい家具に向いています。
経年変化で色が深まり、時間とともに味わいが増す素材です。
- 湿気に強いので、キッチンや洗面まわりにも使いやすいです。
- 表面に天然の油分があり、虫にも強く長持ちします。
- 美しい木目と色の変化で、経年の風合いが楽しめます。
- 丈夫で長く使えるため、重厚な家具に適しています。
ポイント:チークは、水に強く、年月とともに美しくなる頼れる木材です。
マホガニー|つややかで赤みがかった美しい木
マホガニーは、赤みのある深い色合いと、上品なつやが魅力の木材です。 軽くて加工もしやすく、繊細なデザインの家具にもよく使われます。
経年とともに落ち着いた風合いへと変化し、長く愛される高級素材です。
- 経年変化で色つやが増し、アンティークな風合いになります。
- 軽くて扱いやすく、細かいデザインにも対応できます。
- 上品な赤みがあり、空間にあたたかみを添えます。
- 寸法がくるいにくく、家具として安定した形を保ちます。
ポイント:マホガニーは、見た目の美しさと扱いやすさをそなえた高級木材です。
木材の加工方法によるちがいと特徴
木の使い方にはいくつかの方法があります。無垢材、集成材、突板、合板など、それぞれ見た目や価格、丈夫さが異なります。
選び方を知ると、予算をおさえながらも、好みに合った家具を選びやすくなります。
無垢材|木そのままの素材を使った、ぜいたくなつくり
無垢材は、木そのものをそのまま使った素材で、自然な木の手ざわりやぬくもりを楽しめる加工方法です。
湿気や温度に影響されやすい一面はありますが、使うほどに味わいが増し、愛着がわく素材です。
- ひとつずつ表情が違うので、家具に個性が生まれます。
- 時間とともに色や質感が変わり、経年変化を楽しめます。
- 木のぬくもりを感じられ、触れたときにやさしさがあります。
- 外の暑さや寒さから守る断熱性の高さも魅力です。
ポイント:無垢材は、見た目と手ざわりの良さを楽しめる自然な木材です。
集成材|小さな木をくっつけて強くした、コストをおさえた木材
集成材は、いくつもの小さな板を貼り合わせて作られた木材で、安定した品質と扱いやすさが特長です。
反りにくく、形もくずれにくいため、毎日使う家具やDIYにも向いています。コストをおさえつつ、見た目もすっきり仕上がります。
- 同じ向きに木目をそろえることで、反りにくく丈夫です。
- 無垢材よりも価格が抑えられ、手に取りやすい素材です。
- 小さな木材を使うため、資源をむだなく使えます。
- 見た目のばらつきが少なく、すっきりした印象になります。
ポイント:集成材は、使いやすくて形がくずれにくい、バランスの良い木材です。
突板|高級な木の見た目を活かした、うすく加工した素材
突板(つきいた)は、うすくスライスした無垢材を表面に貼った木材で、見た目は自然な木に近く、価格もおさえられるのが特長です。
軽くて扱いやすく、おしゃれさとコストのバランスを取りたい方に向いています。
- 表面は本物の木なので、見た目に高級感があります。
- 軽くて扱いやすいため、持ち運びや設置も楽です。
- 無垢材よりも手頃な価格で、家具を選びやすくなります。
- ウレタン塗装をすれば、お手入れもかんたんです。
ポイント:突板は、見た目の美しさと価格のやさしさを両立した木材です。
合板|うすい板を重ねて作る、軽くて使いやすい木材
合板は、何枚ものうすい板を木目の向きを変えて重ねた木材で、反りにくくて強く、コストパフォーマンスにもすぐれた素材です。
音や湿気にも強く、使いやすくて暮らしに役立つポイントが多い木材です。
- 木目を交差させて重ねるので、伸びたり縮んだりしにくいです。
- 音や振動をやわらげる力もあるため、落ち着いた空間に向いています。
- 薄くて軽いので、扱いやすく持ち運びも楽です。
- 価格がおさえられながら、見た目もきれいな種類があります。
ポイント:合板は、使いやすさとコストのバランスがとれた、便利な木材です。
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まとめ:家具の木材の種類で長持ちは?特徴を知って長く愛される家具を手に入れよう。
長く愛される家具を選ぶには、木材の特徴を知って、自分たちの暮らしに合う素材を見つけることが大切です。見た目のデザインだけで選んでしまうと、引っ越しや模様替えのときに重くて動かせなかったり、思っていたより早く傷んでしまったりして困ることがあります。
例えば、ヒノキやスギなどの針葉樹は軽くてやわらかく、日常的に手にふれる家具にぴったりです。香りもよく、気持ちを落ち着かせてくれる素材ですが、傷がつきやすい面もあります。一方、ナラやブナのような広葉樹は重さがあり丈夫で、長く使いたいダイニングテーブルや収納家具に向いています。とくに世界三大銘木と呼ばれるウォールナットやチーク、マホガニーは、高級感があり、時間とともに美しさが増していく木材です。
木の種類だけでなく、無垢材や集成材、突板や合板といった加工方法にも違いがあります。無垢材は自然そのものの風合いがあり、使い込むほどに味わいが出てきますが、お手入れが少し必要です。集成材や合板は軽くて反りにくく、安定した品質で扱いやすいのが魅力です。突板は見た目が美しく、コストも抑えられます。
転勤や引っ越しが多く、暮らしのスタイルが変わりやすい家庭では、「見た目のよさ」と「使い勝手のバランス」が何より大切だと感じています。家具を一度買うと処分が大変になり、部屋がものであふれて気持ちまで疲れてしまうこともあります。だからこそ、最初に木材の特徴を知って選ぶことで、無駄を減らしながら、おしゃれで快適な暮らしをつくることができると感じています。


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